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Oily Cart Method

優れた劇団があり偉大なる劇団がある。

偉大なる劇団がありオイリーカートがある。

英国を代表する演劇批評家リン・ガードナーにこう言わしめたのが、劇団オイリーカートです。1981年。演出家で俳優のティム・ウェブ、デザイナーのクレア・ド・ルーン、そして、音楽家のマックス・ラインハートが、すべての子どもたちに届く演劇作りのために、劇団オイリーカートが誕生しました。

 

得意してきたのは、生後6か月の赤ちゃんから6歳以下の子どもたち、そして、知的・学習障がい、自閉症スペクトラム、重度重複障がいをもつ子どもたちです。これらの子どもたちのために、劇団が創案してきたのが、インタラクティブで、多感覚の新しい演劇の形態です。

 

ただ大人しく座って観て、聴くだけではないパフォーマンス。アーティストらは、一人ひとりの子どもの必要性に寄り添いながら、匂いや手触り、ドラムやブランコ、トランポリン等を活用した体感的な演劇をもって、子どもたちと家族に楽しみと生の喜びを与えてきました。

2011年、長年にわたる功績が讃えられ、芸術監督ティム・ウェブは、エリザベス女王より、MBE勲章を授与されました。2018年、後進に芸術監督の地位を譲り、フリーランスの演出家として、現在、世界各地でインクルーシブ・シアターの実践を指導しています。
 

創設からの同志であり、独自の美学で衣装や装置を創案してきた美術家として、また、鑑賞の困難な子どものための環境整備に尽くしてきたのが、クレア・ド・ルーン(アマンダ・ウェブ)です。会場の設営、事前資料の作成、楽しいデザイン、ひとつひとつの配慮のなかに子どもへの無限の優しさと遊び心が溢れています。

NPO法人シアタープランニングネットワークは、ティム・ウェブとアマンダ・ウェブのお二人を、2016年と、2019年の二度にわたりお招きし、多感覚のインクルーシブ・シアターの人材育成のためのプロジェクトを実施いたしました。カンパニー・オブ・ホスピタリティの中核を、そのトレーニングに参加したアーティストたちが担っています。

 

オイリーカートの障がい児向けの公演を特徴は、次のようなものです。

多感覚演劇
五感を刺激し、美しい体験を提供する様々な想像的な遊びとビジュアル。物語を届け、わからせるのが目的ではない。


少人数の観客
公演の場合、一公演あたり、子ども6人とその家族・介護者。家族・介護者も楽しみながら、パフォーマーとともにケアする存在。

 

異空間へ誘うアプローチ
開演前に、パフォーマーがロビーで子どもたちを迎え、コミュニケーションをとる。

 

舞台と客席
子どもたちを制限しない自由なレイアウトと安全な環境。
演劇として成立させる美しいロングショットとひとりひとり子どもの反応に反応していく近接的なパフォーマンス(クローズアップ/テーブルトップ)。

年齢や異なる障がいへの配慮と対応
同じ作品でも、構成・内容の変更を行う。障がいによっては、記憶を長く留められない子どももいる。同時に多くのことを把握・処理できない。ムーブメントはひとつひとつ。シーンとシーンのあいだの「深呼吸」。

 

自閉症スペクトラムへの対応
誰と出会い、どのようにパフォーマンスが展開し、終わるのか等を紹介する事前資料ソーシャルストーリーの作成・提供。

これらの教えを基盤に、さらにリラックス・パフォーマンスの実践をも取り込みながら、そして、独自のアイデアや理念も取り込みながら、作品作りをしているのが、ホスピタルシアタープロジェクトです。
 

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